前のお話だよ!

そこにリョウが訪ねてきた。
リョウ「あの、ケン子さん?」
ケン子「‥」
カオリ「ケンちゃん!」
ケン子「ん?あぁ、え?!何で俺のことを知ってるんですか?」
リョウ「先週の中庭の騒ぎで‥。」
カオリ「もう、ケン子ちゃん有名人ね!」
ケン子「そうですか。三年生ですよね?何か用ですか?」
リョウ「わたし三年のリョウ。男よね?女装が好きと?」
ケン子「いいえ。何かの手違いで女性用の夏服が届いてしまいまして、仕方なく‥。」
リョウ「そう‥。」
ケン子「女装が好きなんですか?」
カオリ「男装の方かな?」
リョウ「うん‥ちょっとだけ。」
カオリ「まー!きっと似合うわ!」
ケン子「では、是非やりましょう!わたくしだけだと目立って仕方がないのです、道連れになってくださいまし!二人で服装の自由を勝ち取りましょう!まだ見ぬ後輩たちのために道を切り拓きましょう!」
リョウ「でも、もう制服の注文は終わっとるし‥。」
カオリ「じゃあ、けんちゃんの夏服が有るよ!」
ケン子「あ?‥あるんかい!?!?」
カオリ「ぁ‥。」
ケン子「[ぁ]じゃねーよ!有るならオレによこさんかい!」
カオリ「だーめ♡」
ケン子「なんでやねんねんねーん!」
カオリ「フフフッ、ねんねんねんって何?」
ケン子「非常に高いナンデヤネン度が検出されたときに鳴る警報やないか!」
カオリ「あれはリョウちゃんにあげるの。困った人を助けるのは人間としての自然よ?」
ケン子「はぁ!?んー、でも。す、すー‥せやな!」
リョウ「でも、急に男物制服になると変じゃない?サイズとかも違うし‥。」
カオリ「変わりたいと願った時、世界はすでに変わっているのよ。サイズは仕立て屋さんで少し補正してもらえば大丈夫よ!すぐ持ってくるね!」
ケン子「なんで持ち歩いとんねん!?」
カオリ「家でケンちゃんに見つからないようにソニカに隠してたの!」カオリが駐車場に向かう。
ケン子「わー、ぼくのお姉ちゃんはかしこいなー。」
リョウ「ヨカと?」
ケン子「ええ、かまいませんわ。世界の主役はアナタよ。私達はアナタのための演出で舞台装置で観客なのですもの。」
リョウ「でも、何も無いとに男物の制服着るようになっておかしく無いやか?」
ケン子「ズボンをはく理由が必要だということですか?」
リョウ「うん。そういうのが有ると堂々と出来るやん?」
ケン子「あー。確かに、そうですわね‥。それでは、バイクに乗るためにズボンをはいているという事にしたらどうでしょうか?スカートだとまたがれませんわよね?」
リョウ「あー!兄ちゃんのバイク有るけん、頼んでみようかな?」
ケン子「なんていうおバイクですの?」
リョウ「ホンダのNS-1っていうやつ。」
ケン子「とっても良いおバイクですね!もし、NS-1が手に入ったらバイク部設立のためにお名前を貸していただけませんか?」
リョウ「バイク部?」
ケン子「はい!友達とバイク部を作ろうとしてるんですけど、人数が足りなくて困っているんです。」
リョウ「そーね!名前だけでヨカなら使ってヨカよ!制服のお礼やけん!」
ケン子「ありがとうございます!助かりますわ!」
カオリ「持って来たよー!はい!遠慮なく使ってちょーだい!」リョウに男物の制服を渡す。
リョウ「ありがと!このお礼は必ずするけん、困った時は声かけて!」
ケン子「しかし、さすがですわお姉さま。リョウさんを救うために、女性用の制服を用意していたのね。本当に尊敬しますわ!ねぇリョウさん!」
リョウ「うん!未来予知能力やね!」
カオリ「え!?あ‥そうよ!お姉ちゃんはスゴイのよ!」
カオリ「男制服で居心地が悪いなら私達と一緒にいればいいし、昼休みとかウチの教室に遊びにおいで?」
ケン子「教室には黒人も障害者も女装も居ますし、たまに白人も来るので男装くらいでは目立ちませんから。」
リョウ「うん!ありがと!」
次のお話だよ!
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コメント
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