前のお話だよ!

6月中旬。昼休み、ヤスの教室にて。
ケン子がヤスの居る教室に遊びに来た。
ケン子「どーもーバイク部です。お邪魔しますー。一昨日バイク部のツーリングで熊本行ってきたのでお土産持ってきましたー。部員のヤッさんが[学校のみんなにお土産買っていく]なんて気の利いたことを言うもんですから。安いお菓子ですけど、どうぞみなさん召し上がってください。ヤッさん来て!みんなに配って!あっちから順に、ホラ!はよ!」
ヤス「え?庶民のくせに、この高貴な私をこんな雑用に使おうとはいい度胸ね。遺書は用意しているのかしら?お葬式には招待してちょうだいね。行かないけど。」
ケン「はいはい。冗談は後でいくらでも付き合うから、今はお土産を配っておくれ。あの事をバラされたくなければ‥ね?」
ヤスがお土産を配り始める。
ケン子「皆さん大変ですね。こんな冗談のキツいのが同じクラスなんて。ヤッさんは冗談好き過ぎて一般人が理解できないような高レベルボケを飛ばしてくるから対応に困りますよね。黙っときゃあ美少女やのにもったいない。」
ヤス「もったいないとは心外ね。私からすればボケが本体で容姿はオマケよ。ボケを際立たせるために最適な姿に進化したのよ。こう見えても半年前までは身長2m50cmの黒人男性だったのよ。いわゆるギャップ萌えというやつね。」
ケン子「んな訳あるかぃ!ホンマによぉ頭の回る人や。尊敬しそうになる可能性があるわ。」
ヤス「もう用は済んだでしょう?とっとと消え失せてちょうだい。目障りだわ。」
ケン子「(これで居づらくなったら俺の教室で一緒に昼飯しよ。姉ちゃんも居るし。)」ヤスに耳打ちする
ケン子「はいはい、ちゃんと全員にお土産渡すんやで。ほな、みなさんヤッさんがズルせんように声かけたってくださいね!バイク部でしたお邪魔しました!」
ケン子が去ると、ヤスに声をかける人がちらほらと。
ーー「お土産ありがとう。熊本のドコにいったと?」
ヤス「阿蘇山の大観峰という展望所で下界の人々を見下してきたわ。」
ーー「ヤスさんバイク何乗っとると?」
ヤス「普通のスクーターよ。親にもらったもので詳しくは知らないわ。」
ーー「何でバイク部に入ったと?」
ヤス「部員募集ポスターが面白かったから入ってあげたの。」
ーー「あのぎゃんデカか張り紙やろ?あれ訳わからんよね?」
ーー「あれば2枚並べて貼っとるとかマジ無駄やろ。」
教室がざわつき始める。
ーー「教室のドアふさいで貼っとるともあったやん!」
ーー「あれどう考えてもブラック部活やろ!」
ーー「部員募集の漢字も間違えとったよね!」
ーー「絵描けんならイラスト屋とか使えばヨカとにっさい。」
ヤス「アナタたちはあのポスターをバカにして笑っているけれど、それがポスターの目的よ。こうなるように計算してネタを考えて実現させている人間が居るのよ、バイク部には。これはその辺に転がっている何の価値もない有象無象共に出来ることではないわ。これからバイク部の会合だから失礼するわ。」
次のお話だよ!

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